2024年5月30日、港区・愛宕神社のアイドル猫「シズちゃん」が虹の橋を渡ったことを、神社の公式Instagramで知りました。長年参拝者に愛されてきたシズちゃん。私も何度となく、彼女のしなやかに境内を歩く姿を目にしてきました。
その報を目にした瞬間、胸にぽっかりと穴が開いたような感覚と、どこか信じられない気持ち。気づけば翌朝、私は久しぶりに愛宕神社に足を運んでいました。
目次
1. シズちゃん、ありがとう──インスタで知った突然の訃報
スマートフォンの通知を何気なく開いたとき
愛宕神社のインスタ投稿には、穏やかな写真とともに「しずく(シズ)が今朝、虹の橋を渡りました。前日までご飯も食べ眠るような大往生でありました」とありました。
神社の境内で多くの人を癒やしてきたシズちゃん。真夏の暑さの中でも、冬の凛とした空気の中でも、彼女はそこにいて、まるで神様の使いのように存在していました。

愛宕神社、朝の静けさと変わらない風景
朝8時過ぎ、愛宕神社に到着。平日のこの時間、ビジネスマンの姿は少なく、参拝者もまばら。鳥居の前で一礼し、静かな境内へと足を進めました。
都内屈指の急な石段「出世の石段」を見上げると、変わらぬ景色がそこにあります。けれど今日は、どこか空気が少しだけ違って感じられました。そう、そこに彼女の姿がないことを知っているからこそ。
神社の階段を上るとき、ふと思い出す足音
この急な石段を上ると、以前は途中でふとシズちゃんが現れ、参拝者をゆっくり追い越していくことがありました。その姿を見て笑顔になり、自然と足取りが軽くなる。そんな思い出がよみがえります。
上りきった場所には、静かに咲く紫陽花と、新緑の木々。風がそっと吹いて、木漏れ日が差し込みます。まるでシズちゃんが「おはよう」と挨拶してくれているような、優しい時間でした。


猫と神社、そして人のつながり
神社の境内で猫に出会うことは珍しくありませんが、ここまで人々に愛され、神社の顔ともいえる存在になった猫は、そう多くはないでしょう。
SNSでも、「シズちゃんに会いたくて愛宕神社に通っていました」「彼女に癒やされた日々、忘れません」といったコメントが溢れていました。
人と猫。神社という場を介してつながる、その優しい関係性が、シズちゃんを通じて育まれていたのだと思います。
参拝を終えて感じた、感謝と祈りの時間
本殿で手を合わせ、静かに祈ります。
「シズちゃん、ありがとう。たくさんの癒やしと笑顔をありがとう。」
シズちゃんの不在は寂しいけれど、彼女がくれた時間や思い出は、これからも参拝者一人ひとりの心の中に生き続けていくことでしょう。
帰り道、少しだけ視線を落としながら、また石段を一歩ずつ降りていきました。彼女が見ていた風景を、少しでも覚えていたくて。
おわりに
愛宕神社のシズちゃんは、猫でありながら、神社の象徴であり、参拝者にとってはかけがえのない存在でした。
もしあなたが彼女に会ったことがあるのなら、もう一度、静かな朝の愛宕神社を訪れてみてください。シズちゃんの面影が、どこかに感じられるかもしれません。
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