都市伝説やスピリチュアル界隈でしばしば話題に上がる、たつき諒先生の漫画『私が見た未来』。この作品は、作者が見た「予知夢」をもとに描かれており、その中で後に現実となった出来事がいくつもあるとして注目を集めています。
もともと1999年に出版されたこの漫画は、当初はあまり注目されていませんでした。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災を予言していたという噂が広まると一気に話題となり、絶版だった初版はプレミア価格で取引されるように。そして2021年には「完全版」が再出版され、多くの読者の間で再注目されることとなりました。
この記事では、『私が見た未来』で過去に的中したとされる予知夢の例を紹介し、作品がなぜここまで話題になっているのかを考察していきます。
的中したとされる主な予知夢
1. 東日本大震災(2011年3月11日)
最も有名な的中例は、「2011年3月に大災害が起こる」との記述です。これは作品内の「夢日記」にはっきりと記されており、実際に同月に東日本大震災が発生したことで大きな注目を集めました。しかも「津波が来る」という描写もあったとされ、その一致度が驚きを呼びました。
2. ダイアナ妃の死(1997年)
イギリスのダイアナ元妃が事故死した出来事も、作品内で事前に夢として見ていたとされています。本人が後年のインタビューで語った内容によれば、事故のビジョンを見たあと強烈な印象が残ったとのこと。
3. 尾崎豊さんの死(1992年)
作品内で描かれていた「若くして亡くなるカリスマ歌手」が、後に尾崎豊さんと結びつけられたことも話題になりました。
4. フレディ・マーキュリーの死と映画化
クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの死についても、作品で示唆されていたとされます。また、それに関連する映画の製作についても示唆があったという声もあります。
5. 阪神・淡路大震災(1995年)
「大きな揺れと炎に包まれた都市の夢」も描かれており、これが1995年の阪神・淡路大震災を指していたのではないかと考える人もいます。
6. 新型コロナウイルスの流行(2020年)
「マスクをした人々」や「新しいウイルスの発生」に関する描写もあり、これが2020年から世界中を襲った新型コロナのパンデミックを予知していたのではという見方もあります。
的中率は高いのか?偶然なのか?
これらの「予知夢」が実際に起きた出来事と一致していることから、ネット上では「本当に未来が見えていたのでは?」と話題になりました。一方で、すべてが後付け解釈ではないかという批判もあり、科学的な根拠がない以上は偶然や記憶の補正によるものだとする意見も根強いです。
しかしながら、2011年3月という具体的な年月が記されていた点はやはり注目に値します。この的中によって、漫画自体の信憑性が一気に高まったのは事実です。
まだ起きていない「未来」もある?
たつき先生によれば、彼女の見た夢の中にはまだ実現していない「未来の大災害」も存在するとされています。たとえば「富士山の噴火」や「横浜の大津波」などが挙げられており、一部の読者はそれらが近い将来起きるのではないかと警戒しています。
ただし、本人はあくまで「予知夢であり、絶対に起こるとは限らない」と繰り返し述べており、パニックを煽る意図はないとしています。
結びに
『私が見た未来』は、スピリチュアルや都市伝説の枠を超えて、「過去の出来事をどう読み解くか」という視点でも楽しめる作品です。たとえ科学的な証明が難しいとしても、私たちが無意識の世界や直感に対して少しだけ真剣に向き合うきっかけになるかもしれません。
未来は確定したものではなく、私たちの行動によって変わる可能性がある──そのことを思い出させてくれる1冊でもあります。
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